求めてた普通の人生遠ざかる:破滅していた世界の再生と破壊「チェーンソーマン」

「チェーンソーマン」は、突き抜けたバカな主人公がバトルするマンガであり、
考えちゃいけない。
しかし、少なからぬファンがつくのは、それが刺さるものを持っているからじゃないのか。

舞台は「銃の悪魔」が世界を破壊した後の悪魔が暗躍する社会である。
主人公・デンジは「悪魔ハンター」をやっている。
彼が幼い頃両親が借金を残して死に、ヤクザに借金を支払うため、
小学校もいかずにハンターをしている。
得た金はヤクザに流れる。夢と言えばジャムを塗ったトーストが食べたいとか。

誰も「借金は相続放棄できる」とか「大人は子どもに義務教育を受けさせる義務があり、こどもは教育を受ける権利がある」とか教えなかったから、デンジは何も知らない。

無知はしばしば利用され搾取され使い捨てにされる要因になると我々は知っている。

デンジは、ポチタという犬のような悪魔と暮らしている。
実はポチタは「銃の悪魔」が恐れるほどの「チェーンソーの悪魔」なのだが、
デンジが瀕死の重傷を負うまでその力を使っていない。
ポチタは、デンジに自分の能力を託して
「普通の生活を送って欲しい」と死ぬ。

チェーンソーマンの誕生である。

しかし、夢が少しずつ叶っているはずなのに、
例えば「女の胸を揉む」という夢が叶ったのに喜びがない。
それを教えられる。

デンジが愚かで無知であることは、しばしば描かれる。

崇高な目的はない

普通の人間の感情も鈍っているかもしれない。

だが、恋をする。

そして裏切られる。

その中で人間的成長を遂げるデンジの姿が描かれ、ない
そういうマンガではないのだ。

話は前後するが、デンジにはバディがいる。

彼女は最強だ。
失敗は他人のせい、
成功は自分の手柄、計画通りだと記憶を書き換える。

その姿に私は魯迅の「阿Q正伝」を思い出す。
革命はカッコいいからとファッションを真似て
処刑される愚かな男。
自分の名前も書けず、丸を書けと言われて震えてQになる。
その阿Qと思考回路がそっくりだ。

愚かなのは誰のせいだろう。

おそらく、今の時代は後年「コロナ時代」と呼ばれるだろう。
卒業式も出来なかった卒業生たちがいる。
誰が悪かったのか。

内定が取り消された学生がいる。
どんな落ち度があったのか。

突然学校がオンライン授業になり、
慣れないことで知識の取りこぼしが大量にあったに違いない。
それは誰の責任か。

少なくとも、学童・生徒・学生に責任はない!

デンジやパワーが愚かなのも、彼らの責任ではなく、
その生き方は彼らなりに学習した結果だ。

ネタバレはなしにしているが、連載中の「チェーンソーマン」はとんでもないことになっている。
人気上昇中で最終回もありうると私は思う。

デンジとポチタとの契約は
「普通の生活普通の人生」
であったはず。
デンジはそれを全うできるのだろうか。

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入り江わに について

オタクじゃ老害、川柳じゃ若手!オタクが互いをお宅と呼んでいた頃からのマンガアニメオタク。兼、川柳人。
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