普遍だが動くミギーは遅すぎた:人間の存在を問う「寄生獣」

初出1988年。完結1995年。アニメ化2014年。
遅いよ!
約10年、映画化権をハリウッドが握って放さなかったんだもんなぁ。

映画化と同時にアニメ化がなされ、
時代設定をアニメ化当時にするための改変がなされ、
限りなく神に近いが神アニメにはならなかった「寄生獣セイの格率」。

キャラデザインが変わり、
人物設定にも改変が加えられたのは、
仕方ない。
仕方ないんだけど残念だ。

原作は神。アニメは…ってのはかの「デビルマン」と似ている。
「デビルマン」のことを考えれば、「寄生獣」はましだったと諦めるしかない。

内容がかなりグロいため、
ジャンルは「SFホラー」になっているのも納得いかないなぁ。
ヒューマンドラマだと思うけど。

私は幼少期に原作マンガの「デビルマン」にガツンと来たので
この「寄生獣」にもガツンと来ました。

ある夜、空から無数の物体が下りてきて
人間に寄生した。
皮膚から内部に侵入し、脳を食べて体を乗っ取るのである。
彼ら「寄生獣」の主食は「人間」。
主人公・シンイチも侵入されかけたが、右手を乗っ取られるだけで済んだ。
シンイチは右手に「ミギー」と名付け、共存することになった。
一方、寄生獣たちは次第に理知的になり、
シンイチとミギーは人類対寄生獣の戦いに否応なく巻き込まれていく。

作品中に重要なテーマが数多く発せられます。

地球にとって「人類」は害ではないのか?
「寄生獣」は「人類」にとって天敵でも、生命体としては害なのか?
人間(または他の生物)に寄生しないと生きていけない「寄生獣」は強いと言えるか?
知性を持った生命体は害獣か?
食うためでもないのに同族を殺す「人間」は生命体として正常か?

総じて、「人間とは何か?」

「母性」についても描かれています。
一般的に「母性本能」は神話化されることが多いです。
曰く、己を犠牲にしても子を助ける、と。
ネタバレすれば、そういうシーンあります。
しかし、本能であるかというと本作での描かれ方は違うと思うんです。
むしろ「後天的」で「人間固有のものではない」。

我々の「生命」がどこから来るのかわからないように、
「愛」もまた、どこから来るのかわからない。

「愛」を「寄生獣」が知ることができるのならば、
彼らは本当に化け物だろうか。
「愛」が欠落した「人間」こそが、
真に人間の天敵であり「化け物」なのではないだろうか。

原作マンガは、神です。
読んでおくべきマンガであると言えます。
ついでに言うと原作マンガの「デビルマン」も神です。
何年経っても色あせることがない。

ヒトはなぜヒトを攻撃するのでしょう。
「いじめ」という隠れ蓑を着た「迫害と暴力」。他者の人権の否定。
イデオロギーの対立が「匿名」の下に言葉の暴力となるインターネット社会。
いや、それほどの理由がなくても、ネットでの攻撃は容易に始まります。

対象が「人」であり「人格と人権を持つ」ことを
無視しているからできるのではないでしょうか。

深くえぐり出してくるようなマンガです。

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入り江わに について

オタクじゃ老害、川柳じゃ若手!オタクが互いをお宅と呼んでいた頃からのマンガアニメオタク。兼、川柳人。
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