善悪の此岸を照らすあの夜明け:悪魔の力人間の心「デビルマン」

何度も映像化されているマンガですが、

失敗しています。と、あえて言う。

原作は神。
何で原作通りにできないのかなぁ。

「鬼滅の刃」が少年向けなのにトラウマレベルと言いますが、
「デビルマン」こそ元祖「少年向けなのにトラウマレベル」です。

普通の高校生・不動明は、友人の飛鳥了から世界を滅ぼす危機が近づいていることを告げられる。
それは悪魔!
悪魔は人間と合体して体を乗っ取り、頃合いを見て人類を殲滅する計画だと言う。
明と了は、人間の意識を残したまま悪魔の能力を手に入れて、悪魔に対抗しようと…

悪魔の能力を持つ人間、
それが
デビルマン!

テレビアニメでは、単純な人類の味方正義のヒーローでしたが、
原作では複雑です。

残虐に悪魔を皆殺しにする明に、
(悪魔よりもっと恐ろしい物を生み出したのではないのか)
と、不安になる了。

今回はネタバレも書きます。
人類の息の根を止めるのはデビルマンです!

この作品には
印象的な夜明けがあります。

デビルマンがシレーヌという悪魔と戦った時の夜明け。
デビルマン・不動明は、負けたのです。とどめを刺されれば終わりでした。夜明けの光を浴びるシレーヌ。

悪魔にも愛がある。

そして、明が恋人ミキを迎えに行った夜明け。
「デビルマン」一番のトラウマシーンです…

人間はどこまでも残虐になれる。

最後に、明と了が語る夜明け。
最終戦争(ハルマゲドン)の終焉。

善悪も人間性も全てが絶えた朝に
太陽は何人もの翼を持つ天使の光…

闇が深いから、
全ての汚いものが吐き出される。
なのに光は美しくもあって。

作品を通じて感じるのは
本能の底にあるどろどろしたものが、
次々と顕になる生理的不快感。

絵が、構図が、筆力が、
神なんです。

派生したマンガがいくつもありますが、
最初の「デビルマン」を超えるものは無いです。
まぁ私は、「デビルマンレディ」モデルのピッチを持ってましたけど。

私が「デビルマン」を読んだのは小学二年生、従兄の持っている単行本でした。

あの頃、性も暴力も子ども向けマンガに描かれていました。手塚治虫の「アポロの歌」もかなりだった記憶があります。

今でも通じる不朽の名作だと思います。何で映像化うまくいかないかな。

そこに「解釈」を入れてしまうからかもしれません。入れたくなるよなぁ。それだけ心が動くのです。

グロテスクな悪魔を倒すグロテスクなヒーロー。その物語なのに「愛」について考えさせられる。人間を人間たらしめるものはなんなのか。人間は悪に堕ちないか。堕ちるのなら悪魔との相違は何か。

霜月の終わりの日です。クリスマスのある師走の前に、何を紹介するか悩みました。

「愛以前」のバイオレンス。

一生に一度は読んで欲しいマンガです。

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入り江わに について

オタクじゃ老害、川柳じゃ若手!オタクが互いをお宅と呼んでいた頃からのマンガアニメオタク。兼、川柳人。
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善悪の此岸を照らすあの夜明け:悪魔の力人間の心「デビルマン」 への2件のフィードバック

  1. 綿貫海雨 のコメント:

    こんにちは。
    アニメ放送しかしらなかったのですが、原作はものすごいラブストーリーですね。
    知人にコミックを貸してもらって
    こんなにも素晴らしい作品なのかと驚愕しました。
    絵のタッチが女性受けするのが難しいけど、是非男性だけでなく女性にも読んでほしい作品ですね。

    • 入り江わに のコメント:

      永井豪先生になんか降りてきたとしか思えない神作品です!
      そうですね、絵柄はキツイかもしれませんね。

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