壊されるために幸せ与えられ:最も救いのないマンガ「チェーンソーマン」10巻

崩壊する精神の姿を私たちは目の当たりにしている。

「チェーンソーマン」という作品で「死んだはずだが生きていた」というのはありえないから、
たとえ同じ姿かたちでも生前とは別人だから、
アキ先輩は死んだと考えてよろしい。

アキを殺したことでデンジの精神が悲鳴を上げている。
そこに現れたマキマさん。
マキマさんのマンションには大量の犬がいた。
マキマさん、多頭飼いなんだ。

犬とマキマさんに癒されるデンジ。

だが、マキマさんは善意のヒトではない。
パワーがマンションに呼ばれた。自分の誕生日前日なのをデンジは思い出す。

……ここからが非道。残虐。

~~~以下、ネタバレ含みます~~~

マキマはパワーを殺す。
チェーンソーの悪魔ポチタがデンジに「普通の生活をしてほしい」と言ったのは「願望」や「希望」ではなく「契約」だったと。

だから、マキマはその契約を破棄するために
デンジに「幸せ」を与え、のちに奪う。
奪い方は暴力的で残忍な方がいい。
デンジが絶望するように。

マキマこそがラスボス。
マキマを殺すための部隊が来る。

多分、デンジがマキマさんの「犬になりたい」と言って承諾されたのも「契約」だったのだろう。
デンジはマキマさんを助けざるを得ない。

チェーンソーマンは戦う。
助けられたマキマさんはデンジを殺す。
チェーンソーマンは、地獄に落とされても、宇宙空間に投げ出されても、死なない。

この戦う悪魔に人の心はあるのだろうか?

以上、考えられうる限り最悪の展開になったのが最新巻10巻です。
ポチタがデンジの幸せを願ったのは「気持ち」だったと思います。
けれどポチタがチェーンソーの悪魔であったから、
それは「契約」になってしまった。

非常に読み解くのが難解な巻でもあります。

ポチタとの契約では、
デンジは「普通の生活」をしなければならない。
それはデンジの「幸福」である。
マキマは、考えた。
デンジはポチタとの最底辺の生活でも「幸せ」を見出していたのだから、
デンジの生活水準を引き上げよう。
一度知ってしまった「さらなる幸せ」を人は忘れられないものだ。
だから、「与えて、奪う」。
デンジとマキマとの間に服従の契約があれば、
デンジはマキマに従わざるを得ない。
しかし、マキマとの契約を守ることはポチタとの契約と矛盾する。

マキマさんは矛盾をあえて作り出して、
デンジの精神崩壊を行い、
ポチタとの契約を破棄させようとしていると私は考えました。

デンジの心中を思いやると非常につらい。

次が最終巻なのかな?
さて、私はネタバレの中にバレをしていない事実がいくつかあります。
この状況をもたらす重要なカギでもあります。

だから、是非「チェーンソーマン」を買って読んでください。

あとはー、んー、誰かが「マキマは母性」とか言いだしそうだと思いました。
赤ん坊にとって、快も不快も母親が与えるものだから。とか。
私はそっち方面の解釈は好きじゃないっすね。
何もかも「象徴」にしなくてもいいんじゃないかと思います。



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入り江わに について

オタクじゃ老害、川柳じゃ若手!オタクが互いをお宅と呼んでいた頃からのマンガアニメオタク。兼、川柳人。
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